昨今、「審美治療」という言葉をよく耳にします。歯科界においてはこの表現は正式な定義のあるものではなく、要するに審美ということを最優先させて治療することなどを示していると思われます。健康保険制度の問題もあり、日本では欧米(特にアメリカ)に比べ見た目に金属の修復が多く確かに審美的とは言えないのが実情です。また欧米では歯並びが悪ければ子供のときに矯正してしまいますが、日本ではその辺りも遅れており大人になったときの前場の歯並びの悪さが審美を損ねている方も多いと思われます。
人に与える印象としてスマイルが美しいことはとても大切なことであり、特に現代においては社会生活上重要なことであります。しかし、ここで問題となるのは機能(食べる・話す)を無視して見た目だけを取り繕うとする治療であります。
例えば歯を支える歯周病やかみ合わせの崩壊に対する処置をしないまま被せ物だけを治療したり、本来矯正をすべきなのにその説明もせずに被せ物だけで見た目を作ったりして、しかも根の中の治療はグチャグチャというのでは困ります。
まず、きちんと食事が出来る・話すことが出来る・治療が長持ちするという条件がクリアーされて初めて審美性を追及していくというのが本筋であると考えております。またその審美性も一時しのぎではなく、長く良い状態を保つためには患者様も我々もそれ相応の努力も必要となるのです。
トレンドのように「審美治療」という言葉が飛び交っておりますが歯科の一つの分野であり美容とは違いますので、そのあたりは勘違いしないようにしたいものです。
上記のように、当院の審美治療では健全な歯としての機能美を前提とした、見た目の美しさを目指しています。主に金属色を回避できる、白色で硬く丈夫な優れた素材である「セラミック」(陶材)を使用した治療と、先天性・加齢など様々な原因で黄ばんでしまった歯を白くするホワイトニングを行っています。
治療前の状態
虫歯を除去して補綴物を被せる前の状態。
治療後の状態
天然歯と同じ色の素材で、きれいに治療が終了しました。
レントゲン撮影画像
治療後は金属による治療と異なり、内部の状況が把握出来ますので安心です。(ジルコニアは除く)
表面が滑沢で汚れが付着しにくい
表面が高いレベルで研磨されているため汚れやプラークが付着しにくく、その結果として虫歯の再発や歯周病の発生が著しく抑制できます。
天然の歯に近い質感
光の透過性に優れた素材で、白さは患者様の歯に合わせて調節しますので、天然歯と見分けがつかない仕上がりが期待できます。
保険適応外の治療です
セラミック治療は専用ドリルによる切削、歯肉の前処理、特殊な材料を用いた精密な型取り、一流の歯科技工士による補綴物の作製、歯と一体化させる特殊な接着剤の使用など、セラミックの特性を最大限に引き出す行程を丁寧に進めます。健康保険適応外のため費用負担は高額になりますが、美しさと機能を併せ持つ精巧な補綴治療が行えます。その結果、後の虫歯再発のリスク抑制にも繋がりますので、歯科の観点からはコストパフォーマンスは優れていると言えます。
歯にやさしいほどよい強度
歯に使う材料は硬ければOKというものではございません。セラミックは金属より硬度が天然歯に近いため、噛み合う歯を傷つけません。稀に「割れる」「欠ける」といったことが発生する可能性もございますが、これらはご自身の歯を保護するために必要な機構とご理解下さい。
虫歯の再発が極めて低い
セラミック素材は金属よりも精密な加工が可能で、仕上がった被せ物を歯に接着する際の材料も、金属に使うセメントとは異なる特殊な材料を用いておりますので、セメントのように経年劣化により溶け出して隙間が出来てしまうリスクがなく、再発率を極めて低く抑えることができます。
治療時間が長くなる場合がございます
品質確保のため症例により、銀歯による治療と比較して1回の治療時間、治療期間が長くなる場合がございます。
■ オールセラミック クラウン
口腔内のすべての歯に適用できる方法で、土台となる歯の外側に人工歯としてすっぽりかぶせるタイプです。セラミックのみで作られているので金属アレルギーの方に有効です。インプラントとの併用で天然歯とほとんど見分けがつかない仕上がりが期待できます。
■ オールセラミック ブリッジ
オールセラミックによるブリッジは強度の高いジルコニアを使用し、透過性に優れた素材のため審美性に優れ、見た目が重要になる前歯部の症例に適応しています。
■ オールセラミック ラミネート
前歯のエナメル層を薄く削り、その上にセラミックを貼り付けるものです。こちらもセラミックのみで作られているので金属アレルギーの方に有効です。よく目立つ前歯でもプロセラ・オールセラムのもつ理想的な光の透過性が高い審美性を発揮します。
■ 硬質レジン
メリット
プラスチックの素材で保険範囲内の治療。
デメリット
変色・着色しやすく、強度は柔らかく破折・摩耗しやすい。
■ メタルボンド
メリット
陶材と金属を焼き付けて作るので強度がある。
デメリット
金属の裏打ちをした冠は経年的に金属が露出して歯肉との境目が黒く見えたり、自然な歯の輝きが思うように出にくい。
■ ハイブリットセラミック
メリット
オールセラミックより安価。金属を使用しないため歯肉が黒ずみにくい。金属アレルギーの心配が無い。
デメリット
耐摩耗性がやや劣る。オールセラミックと比較して、修復時の色ツヤが劣化しやすい。
■ オールセラミック
メリット
天然歯同様の自然な仕上がりが期待できる。金属を使用しないため歯肉が黒ずみにくい。強度、生体親和性が高い。金属アレルギーの心配が無い。
デメリット
保険外の治療。
ホワイトニングとは、そのような歯牙を削ったり傷つけたりすることなく特殊な薬効を用いた「漂泊」により歯牙を白くする処置のことを指します。 ホワイトニングには大きく分けて、一般的にご自宅で行うホームホワイトニングと歯科医院で行うオフィスホワイトニングの2種類ありますが、当院ではホームホワイトニングを採用しております。
ホワイトニングはオフィスホワイトニングより効果があらわれるまで時間がかかりますが、徐々にホワイトニングされるため、自然な白さで理想の白さになるまで続ける事が可能で、後戻りも少ないです。
また、オフィスホワイトニングに用いる薬剤と比べて濃度が低いため、しみる症状が出現しにくいです。患者様のお好きな時間にできるホワイトニングというのも大きな特徴です。
どこで行うの?
ご自宅で患者様が行うことができます。
期間は?
● 毎日の場合:2~4週間
● 2〜3日に1回の場合:1~2ヶ月
効果は?
徐々に色が変化するため、効果はオフィスより長いです。
どこで行うの?
歯科医院で専用の機械を用いて行います。
期間は?
1〜3回の来院で歯が徐々に白くなってきます。
効果は?
色の持続性はホームホワイトニングよりやや劣ります。